日常の実際の発話において一拍目が高くなる単語とそのルールについての研究メモ
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例:おんせん→おんせん
変化が起こりうる語の種類
- 一拍目が低く二拍目が高い型(つまり1型以外)
- おそらく品詞は問わない。
- 複合語や活用変化も対象(ルール3の例を参照)
ルール1.二拍目が撥音の場合
例:安全 林檎 運転手 延長 温泉
ルール2.二拍目が長音の場合
例:黄色 新潟 言い分 小さい
英語 携帯 性格 映画館
教室 証言 風船 ニューヨーク
ルール3.二拍目が「い」の場合
例:階段 大会 来客 買いたい
水田 追放 初陣 縫い目
恋文 お暇 追いかける
(「黄色」などは2と重複)
考察
- 必ずしも変化するわけではなく個人差がある。変化の具合にも個人差があり、二拍目と同じ高さまで上げる人もいれば、二拍目の若干下でとどめる人もいる。
- おそらく無意識の人が多く、単語単位で質問すると、平板化しない(教科書的に正しい)アクセントを教えてくれる日本人もいて、音感の良い外国人(日本語学習者)は体感との差に混乱してしまう可能性がある。
追記:辞書の凡例に同様の解説を見つけた(つまりあってた)
"コーリ0 、トーリ3 、ハンシャ0 、カイシャ0 など、二拍目がのばす音、はねる音、アイ/オイなどの後半のイという独立性の弱い拍の場合は、(i)のように普通は一拍目から高く発音する。一方、さらに弱いつまる音が二拍目にくるバッタ0 などでは、(j)のように三拍目から高くするのが一般的である。これらの弱い拍は、その直後で下げることも通常ない。○ー○、○ッ○などに2 型は欠けている。"
画像元および引用元 <http://www.sanseido.biz/main/Dictionary/Hanrei/meikoku_accent.aspx>
もうひとつルールがあった。
文中の場合
"スミレのスからミへの上げは、それを単独で発音したため、つまりスミレが最初に位置しているために現われたもので、スミレという単語にいつも決まって出てくる性質ではない。"
画像元および引用元 <http://www.sanseido.biz/main/Dictionary/Hanrei/meikoku_accent.aspx>
あとがき
複数の友人から同じ質問をされたため、ちょっと研究してみたのだけれど、結局、辞典にしっかり解説が出ていたことが判明。ならばなぜ知られていないのか…。国語研究者にとっての常識であって、外国人向け日本語教材にあまり反映されていない情報なのかもしれない。